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シュタイナー学校の保護者になると

前の投稿の「シュタイナー学校の先生になりたい!」の続きなのですが、じゃ保護者はどうなの?というコンテンツです。

 

ネグレクトみたいな言葉も随分普通に聞くようになりました。残念ではありますが、子育ての現場にいますと自分が子どもの頃には考えられないくらい子どもの成長に手塩をかけているご両親に出会います。しかもそれを楽しくやっている。21世紀の子育ては昭和の子育てをは随分違ってるなぁというのを子育てしていると実感します。そういった新しい感覚の保護者の方にはシュタイナー学校にお子さんを通わせるのはひとつの素敵な選択肢だと思います。

 

そもそもシュタイナー学校は保護者の協力なしにはできません。IT機器がある程度の年齢までは厳禁だったり、TVやキャラクターものも触れさせないように見たいなコードがあったりするようなので、その辺りは説明会等で自身の趣向と照らし合せていただきたいのですが、教育の現場の基盤は家庭がしっかり作るという部分では保護者と教員がタッグを組んで子どもの教育に臨みます。大抵毎月保護者会があって子どもの様子をシェアしていただけます。教育内容も子どもの発達に沿ったカリキュラムづくりをされているので、親目線で教育内容を見て新たな発見があることも多いようです。保護者の方がシュタイナー教育のバックボーンを知りたいと学ぶ姿も多く見られます。

 

教員の方同様、余力のある保護者の方は積極的に学校運営に参画できます。財務関係は保護者のお父さんたちがやっていたりするケースが多いようです。ほとんどベンチャー的な試みですので、そういったゼロから何かを生み出すのが好きな保護者の方にはとても面白い教育現場になっています。保護者が生き生きと学校に働きかけている姿は、自身のお子さんへの教育効果も絶大だと思います。社会性を学ぶのにはもってこいの教育現場。教員も親も子どもも三つ巴で社会性を培える、結構稀有な現場だと思います。もちろん財政問題等山積だと思います。そういった困難に大人がどう向き合うかということはネガティブ面も冷静に見ないといけないですが、やはりとても経験として稀有な場になるのではないでしょうか。そういう現場ではドラマのように筋書き通りにはいきませんが、だからこそ生の社会の動きが学校で経験出来る。これからの時代に求められる教育現場のひとつには違いないと思います。

 

おまけとしては教員のところでも書いたように国際色豊かなので、学校や子どもを通じて国際交流が出来る。あと、自然派の方が教員、保護者に多いので、ちょっとエコとかロハスとかの世界に縁のない方には最初はびっくりだったりしますが、ご飯が美味しいんですよね。様々な催しで保護者の方がご飯をサーブしてくれたりするのですが、プロ並みの腕前の方が少なくいて、自然派の美味しいご飯が食べられます。学校を公開するオープンデーをどの学校も毎年開催されていますので、是非是非足を運んでみたいただければと思います。

カルト的だとの批判がありますし、偏った志向の方がいることも否めませんが、学校をつくる規模くらいになるとそういった偏った方が多数派になることはないので、オープンデーなどで実地で観ていただければと思います。

 

少子化なのでなかなかこれから学校をたくさん作ろうみたいな形は難しいところもあるのですが、あたらしく和歌山でできた学校などはとても小規模で寺子屋のような学校を作り始めています。こういった山村の小さな学校のような規模で各地にシュタイナー学校がでくてくるとまた教育の多様性が生まれ、日本の教育全体によく働きかけるのではないかと思います。